この日(8/19)は、眼科、耳鼻咽喉科、小児科の受診日。過酷な眼科の検査や聴力検査に挑みながら、試行錯誤を重ねてきた過去も振り返りながら綴ります。
少しずつ前向きな変化も見られる中、当時の治療の決断や夫とのクスッと笑えるエピソードを交えて今の率直な思いをお届けします。
まずは眼科の検査から。
サイトメガロウイルスによる網膜炎などの眼疾患や、視覚障害の有無を調べるための重要な検査です。初めて総合病院を紹介された時にも一度経験していますが、これが本当に過酷で……。
まず行うのは、散瞳させる目薬を2種類、15分おきにさすこと。
もちろん、生まれて間もない赤ちゃんなので「目を開けてね」なんて言っても通じません。
初めてこの検査をした時は、赤ちゃんが必死に目を閉じているのを、看護師さん2人がかりでこじ開けて目薬をさしてくれました。その小さく必死に抵抗する姿を見て、夫婦で涙をこらえるのがやっとだったのを覚えています。
今回は、経験して少し慣れたのか、1人の看護師さんがパパッと手際よくさしてくれました。赤ちゃんも、少しずつこの世に慣れてくれたのかな……?
そして、瞳孔が開いた(散瞳した)後が本番です。
機械で目を固定し、黒目を真っ直ぐ向かせるために白目の部分をぐっと押さえる(?)ような処置があります。この時は親は待合室に出され、赤ちゃんは看護師さんに連れられて診察室へ。
扉の向こうから聞こえてくる、我が子の泣き叫ぶ声。
このときが、親にとって一番心にきます……。
耳鼻咽喉科の検査:聴力との戦いと、少しの希望
次は耳鼻咽喉科です。
今回は行いませんでしたが、この診療科で経験するのが、赤ちゃんが寝ている間にヘッドフォンを装着し、脳波を測定して聴力を調べる「ABR(聴性脳幹反応検査)」という検査です。
この検査の何が大変って、最大の難関は「赤ちゃんをいかにぐっすり寝かせるか」。
起きていて脳が活発な状態だと正確な波形が出ないため、絶対に寝かせないといけないのですが……慣れない病院、独特の静寂な空間、そして親の「お願いだから今すぐ寝て…!」という必死すぎるプレッシャー。まあ、普通に寝ないですよね(笑)。
これまで受けてきた検査を振り返ると、本当に試行錯誤の連続でした。
1回目(総合病院での初検査):
なかなか寝てくれず、結局「抱っこ」での検査に。ヘッドフォンがズレないよう私が必死に押さえ続けなければならず、終わった頃には変な姿勢のせいで全身筋肉痛に……。
※この検査で「片耳軽度難聴」の可能性が出たため、再検査へ。
2回目(再検査):
今度は私の母についてきてもらいました!母が抱っこを担当し、私がヘッドフォンを押さえる体制で挑戦(この時もベッドでは無理でした…!)。
※結果は「両耳軽度難聴」。
3回目(大学病院での精密検査):
総合病院の機械では限界があるため、より詳しい検査を受けるために大学病院へ。この時は夫にも来てもらいました。
そしてここで発動したのが、「意地でもベッドで寝かせる作戦!」。ミルクの時間から逆算し、検査前は徹底的に遊ばせて体力を消耗させ……見事にベッドでの検査成功!!
※結果は1回目の時と同様の「片耳軽度難聴」とのことでした。
この検査に関する感想や思いはまた最後にまとめるとして、次回の検査は1歳頃の予定です。
今回の検査と、少しの光
さて、話が少し脱線しましたが……今回の診察で行ったのは、簡易的に聴力を確認する検査でした。
内容は、音が出る機械の前で抱っこをして反応を見る検査と、耳栓のようなものを着けて内耳の状態を調べる検査です。
(※内耳の検査は、赤ちゃんがどうしても気になって触ってしまうため、残念ながら今回は計測できず…!)
ちなみに、音の反応を見る検査は両耳で行うため、これだけでは片耳ごとの正確な進行度までは分からないとのこと。
それでも、今回の診察で一番嬉しかったのは、先生から「前よりも結果がいい」と言われたことです。
(※「前」というのは、2回のABR(脳波の検査)のあとに受けた、この簡易検査の結果との比較です。)
もちろん、手放しで「改善した!」と断言できるわけではありません。
両耳同時に音を聞く検査なので、元々問題ない方の耳がしっかり聞こえているだけで、軽度難聴のある耳自体は進行している可能性だってあります。赤ちゃん自身の月齢が進んで、反応が取りやすくなっただけかもしれません。
それでも……。
数字や結果が良くなっているという事実を聞けたことは、不安のなかで頑張ってきた親として、心の底から嬉しかった出来事でした。
【薬剤師のちょこっと解説】
ABR(聴性脳幹反応検査)は、赤ちゃんにヘッドフォンから音を聞かせ、それに対して脳がどう反応したか(脳波)を測定する検査です。赤ちゃんが起きていると脳波が乱れてしまうため、睡眠下で行うのが一般的。検査前にたくさん遊ばせて、検査中にぐっすり寝てくれるよう調整する「お昼寝作戦」は、まさに親の腕の見せ所なんです!
小児科受診と、治療薬「バリキサ」を選択したあの日のこと
そして最後は小児科です。
薬を開始した当初は、副作用が出やすいと言われている2〜3週間は毎週通院。毎回採血をして副作用が出ていないか確認するため、結果が出るまでの1時間待ちはもはや当たり前でした。
問題なさそうということで、その後は2週間おきになり、今は3週間おきに通院しています。
小児科では薬の副作用のチェックだけでなく、先天性サイトメガロウイルスが発達に影響することもあるので、毎回丁寧に見てくれます。
我が家には上の子たちが3人いますが、みんな寝返りやハイハイがわりと早かったんです。「もしかしてウイルスのせいで遅れが出ているんじゃ…!?」と、先生から「順調で問題ないですよ」と言っていただけても、スマホに残る上の子たちの動画と比べては、どうしても心配になってしまいますよね。
ちなみに、今回はいつもは私ひとりのところに夫もついてきてくれました。
診察終わりに、夫がボソッと
「先生たちって赤ちゃんに『元気ですかぁ?』『うんち出てますか~?』って話しかけるやん?いつも声高くして赤ちゃん言葉で答えたくなるんだよね~(笑)」
なんて言っていて。いつか本当に赤ちゃんが「はい!」「うんち出てるよ~」って答えてくれたら面白いのに、なんて思ったり(笑)。そんな風に夫と笑い合える救いに、何度も助けられています。
「無症候性と思っていたら、軽度難聴が出て、薬も開始して……」
振り返れば、まだまだ悩むことも悲しむこともたくさんあります。でも、後悔はしたくない。
薬を始めるかどうか悩んでいた当時、先生からは「薬を開始するか、しないか、勧める確率はちょうど半々です」と言われました。
【薬剤師のちょこっと解説:先天性サイトメガロウイルスに対する「バリキサ」の役割】
先天性サイトメガロウイルス感染症に対して使用される抗ウイルス薬(バリキサなど)は、ウイルスの増殖を抑え、聴力障害の悪化を抑制したり、神経学的予後(発達や聴力)を改善・維持する効果が期待されて使われます。
ただし、すべての症状を完全に消し去るわけではなく、服用しても難聴などが進行してしまうケースや、骨髄抑制(白血病や血小板の減少)や腎機能障害などの重篤な副作用リスクもあるため、医師と綿密に相談しながら「治療の有益性がリスクを上回るか」を慎重に判断する必要があります。
「薬を飲んでも、改善する可能性があれば、進行を遅らせることができるかもしれない。でも、薬を飲んでも進行してしまうこともある。そして重大な副作用で中止になることもある」
様々なリスクを考慮し、私たちが決断した基準は「2回目の検査結果」でした。
「結果が悪ければ薬を始めよう。この短時間の検査で悪くなるようなら、進行が早いのかもしれない」と考えたからです。
もちろん、あとから先生に「この結果だけで進行が早いとは判断できない」とは言われましたが、あれが当時、私たち夫婦が出した精一杯の基準でした。
そして迎えた、大学病院での検査結果。
総合病院での1回目の結果と同じ。言い方を変えれば、一番悪かった2回目の結果よりも良くなっているとも言える状態でした。
小児科の先生からは、
「薬を飲み始めて1ヶ月程度なので、もしかしたら薬の効果で良くなっているのかもしれないし、赤ちゃんなので検査結果の誤差(言い方は忘れちゃいましたが…!)もあるかもしれない」
とのことでした。
本当に改善傾向に向かっているのかどうかは、正直分かりません。
それでも、今のところ大きな副作用もなく過ごせていること、そして結果オーライに思えることから、「あの時、薬を開始する決断をしてよかったのかな」と今は思えています。
薬の服用期間は「半年間」と決まっており、すでに折り返し地点を過ぎました。
結果がどうであれ、前にも書いた通り、この子が自分の足でしっかりと自立できるようにサポートしていきたい。
色々あるけれど、今日も元気に笑っているこの子に会えるだけで――
「まぁ、いっか!」と思える、そんな自分でいたいなと思います。(筆 ゆっか部妻)



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