
2026年1月末、4人目の我が子が産まれて間もなく、産婦人科の新生児尿検査で告げられた「サイトメガロウイルス(CMV)」という言葉…
あの瞬間から、私たちの頭の中は真っ白になり、いつまで続くか分からない不安と恐怖のトンネルに入っていきました。
同じように今、この病気の告知を受け、検索魔になっては重い情報ばかりを目にして胸を痛めているお父さん・お母さんがいらっしゃるかもしれません。
私たちの経験と、その中で気づいたことが、少しでもみなさんの心を軽くすることができればと思い、この文章を書くことにしました。
1. 検索の海に溺れ、自分を責め続けた日々
産婦人科の尿検査「陽性」を聞かされてから、総合病院へ紹介される運びとなりました。
ただ、予約は取れたものの10日後…
総合病院の受診をするまでの10日間、心の中は不安と恐怖でいっぱいでした。
その間ずっとネットで調べる日々、
「難病」「難聴」「発達障害」「視覚障害」「脳の異常」――ネットで調べれば調べるほど、恐ろしい言葉ばかりが目に飛び込んできました。
「私のせいだ…」
とも思ってきます。
見た目は全く変わりません。ただの普通のかわいい赤ちゃん…
毎日、目の前ですやすやと眠る可愛い我が子の顔を見ながら、夫婦で胸を苦しくさせ、何度も涙を流しました。
でも、あとから分かったのは、このウイルスは特別な理由がなくても感染する身近なものであり、決して誰かのせいではないということです。
どうか、ご自身を責めないでください。
2. 医療のシステムと「時間」の歯痒さ
大きな病院での精密検査は、専門の予約や解析が必要で、予約するのにも、結果が出るのにもどうしても時間がかかります。
1月末に生まれて、総合病院に紹介され受診したのは10日後、そして簡易検査(エコー、身体検査)しました。
さらには続く、眼科、MRI、耳鼻科と何週間も待つ長すぎる時間。
これをそれぞれ待ちながら検査を受け、結果を受ける日々が続きます。
最初は、総合病院受診の1週間後に訪れた眼科の検査。
赤ちゃんへの過酷な眼科の検査(看護師さんと3人で目をこじ開けての点眼)、
別室まで聞こえてくる我が子の泣き叫ぶ声……。
終わったあとの赤ちゃんの真っ赤な瞼と、真っ赤な目を見て、「どうしてこんな思いをさせなきゃいけないんだろう」と心が折れそうになりました。
そして、その約2週間後にはMRI検査と聴覚検査。
先天性サイトメガロウイルス感染症でもっとも出やすい症状の1つが「難聴」です。
この聴覚検査して結果がでるのに、もう1ヵ月半ほど経つことになっています。
もし症状があるのであれば、はやく治療を始めたい…
そんな気持ちはつゆ知らず、検査待ち、そして結果待ちの時間だけが流れていきます。
「早く治療を始めたいのに、なぜ進まないのか」と、医療のスピード感にもどかしさを覚えていました。
3. 「軽度難聴」の告知と、治療の決断
眼科検査、MRI検査は無事に問題なし。ただ…
聴覚検査の結果、片耳に「軽度難聴」と診断
「あぁ…出ちゃった」
聴覚検査以外の検査はすべて異常なしで、夫婦とも我が子は「無症候性」という「症状がないサイトメガロウイルス感染症」という気持ちでいたので、ショックを隠し切れなかったです。
その時に医師からは、治療を始めるかどうかは半々といわれました。
先生から「どうしますか?」と聞かれました。
ただ、その時に決断はできませんでした。
というのも、
先天性サイトメガロウイルスの治療には、「バリキサドライシロップ」という薬があります。
ただ、これは副作用があり、主となるものでいえば「好中球減少」「骨髄抑制」というものがあり、これは抗がん剤などに現れやすい副作用と同じです。
そして、半年間飲み続けるという、抗ウイルス薬の中ではかなり特殊な薬となっています。
この軽度の片耳の症状だけ服用するという判断を下すには、とても迷いが強かったのを覚えています。
迷っていると、医師からは「もう一度、聴覚検査をしてみましょう」とのことですることになりました。
ただ…やはり検査は3週間後となり、検査結果自体はその1週間後、つまり生後2ヶ月以上経ってることになります。
こんなに遅くなってしまい大丈夫なんだろうかと思いながら、またしても、何もできない日々が続きます。
そして、その検査結果を聞くと、残念ながら「両耳の軽度難聴」という診断を受けました。
「悪化している…」
またもやショックを隠し切れません。
ただ、耳鼻科の医師から「補聴器や、万が一聞こえなくても人工内耳という手段があるから大丈夫」「皆でサポートしていきます」と言われたことで、少しだけ先の未来に光が見えたことを覚えています。
そして、副作用が強く半年間という長いスパンで飲む必要がある抗ウイルス薬「バリキサドライシロップ」を飲ませるかどうか…
夫婦で悩み抜いた末、「悪化していたら飲もう」と話し合っていたこともあり、治療を開始することを決断しました。
4. 不安だらけだった投薬生活、そして今
4月10日から始まった朝夕のバリキサドライシロップの投与。
赤ちゃんの吐き戻しにハラハラし、少しでも体が熱くなると「骨髄抑制の副作用が出たのでは!?」と心臓が止まる思いでした。
上に3人の子どもたちがいるため、「上の子たちがウイルスを持って帰ってきたらどうしよう」というプレッシャーも常にありました。
最初はオエっとしていたお薬も、今では私たち夫婦の飲ませ方も、
子どもの飲み方もすっかり上手になり、大きな副作用もなく順調に続けられています。
あのとき、総合病院で医師に相談し、悩みに悩んだ末に「治療を始める」という選択をしたこと。
それは間違いなく、我が子の未来を守るための最善の決断だったと、今では胸を張って思えます。

さいごに、同じ不安の中にいるあなたへ
もし、我が子が先天性サイトメガロウイルスと診断され、
今、これを読んでいる方は、いろんな感情が押し寄せていると思います。
- 「ネットの情報を調べてしまい、将来が不安で怖くてたまらない」
- 「検査の予約が先で、何も進まないもどかしさに押しつぶされそう」
- 「薬の副作用や、これからの難聴のことが不安で仕方ない」
その恐怖や焦りは、我が子を心から愛しているからこそ湧き上がる、親として当然の感情だと思います。
決して無理に強がらなくていいともいます。
私たちは、病院のシステムや検査の壁、そして見えない未来への恐怖に何度も涙を流しながらも、ここまで一歩ずつ歩んできました。
そして、どんな困難な状況であっても、お医者さんをはじめ、たくさんの人のサポートを受けながら、親としてできる最善を選び取っていくことができます。
今はまだ不安の続く暗いトンネルの中にいるように感じるかもしれませんが、
赤ちゃんは、ちゃんとパパとママの愛情を感じ取って、強く生きてくれるはずです。
どうか一人で抱え込まず、ご夫婦でお互いを労わりながら、その愛おしい温もりをたくさん感じてあげてください。
あなたと、あなたの赤ちゃんのこれからの歩みを、心から応援しています。




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